Profile
柳生好之 YOSHIYUKI YAGYU
株式会社言楽舎代表取締役
予備校講師(大学受験国語・小論文)
リクルート「スタディサプリ」で「東大現代文」「京大現代文」を担当しています。オンライン通信添削サービス「スクリーヴェレ」を主宰しています。授業や映像や著作を通して、論理的文章読解、論理的思考、批判的思考の楽しさと有用性を教えています。「文法」「構文」「論理」を重視する方法論を用いて、受験生を難関大合格に導くことに定評があります。東大、京大、一橋、旧帝、医学部、早慶合格者を毎年多数輩出しています。
「国語嫌いだった国語講師」誕生
小学生の頃から国語が嫌いでした。というのも、文章を読んで自分なりに答えたにもかかわらず、正解になったり不正解になったりしたからです。先生になぜこの答えではダメなのかを聞いても、煙に巻かれるだけでちっとも理解できませんでした。先生の説明は「それは先生にしかできないよ」というようなものばかりでした。
僕の小学校の頃の得意科目は算数と理科と社会でした。これらの科目はいつもテストで100点でした。社会は解答を覚えていれば出来ました。算数や理科はきちんと考えたら答えが出てきました。別の問題を解いても同じような解き方が再現できました。
中学校の頃も得意科目は数学と理科と社会でした。苦手科目は相変わらずの国語と新たに加わった英語です。高校入試は数学と理科と社会で乗り切りました。
そして、大学入試を志したとき、文系か理系かの選択を迫られました。僕の得意科目からすると、理系ということになりそうでした。事実、自分でも頭でっかちの理屈人間だと思っていましたから、理系に行くのがいいのかなと思いました。
しかし、大学では音楽に取り組みたいと思っていた私に、当時大学生だった従兄弟の言葉が突き刺さりました。「理系の学部に進むと研究ばかりで遊べないよ」この言葉によって「じゃあ文系で」となったのです。
そこから、英語と国語が苦手な私の受験勉強が始まりました。最初は苦労しましたが、予備校で良い先生との出会いに恵まれて、「英語と国語もちゃんとルールがあるじゃないか。解答もきちんと考えたら再現できるではないか」ということがわかりました。苦手科目が得意科目に変わる瞬間を大学受験勉強で初めて体験しました。この時の感動が忘れられず、後に私は国語講師を志すことになります。
結局、なんとか大学に入学し、音楽で生活しようと悪戦苦闘する日々が続きました。
そして大学卒業後、音楽活動を続けながら塾のバイトをスタートさせました。
そこで教える難しさに直面することになりました。教えるためにはまず何よりも自分が学ぶ姿勢を生徒に見せなければならないと思い、再び勉強生活がスタートします。国語や英語や数学といった受験科目の勉強から、哲学や論理学の勉強、さらには国家公務員試験や法科大学院の適性試験、果てはTOEFLやGMATまでいろいろ勉強しました。もちろん当時一番真面目に勉強していた音楽では和声理論(コード理論)や作編曲理論や楽器法などを勉強しました。そういった一見無駄に思える勉強を通して、学問の本質が見えてきました。
普遍性一般性のある理論と再現可能性のある方法
学問(科学)の本質とはこの二つです。様々な勉強を通してこのことがわかりました。そして「普遍性一般性のある理論と再現可能性のある方法」を導入した現在の国語教授法が出来上がりました。
普通の「国語好きの国語講師」とは異なる「国語嫌いだった国語講師」の誕生です。